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G.17.2.1.3 P-デルタK+Kg動的解析

STAAD.Proでは、全体剛性マトリックスと全体幾何剛性マトリックスの組み合わせ[K+Kg]によってP-デルタ効果を動的解析に取り入れる代替のプロシージャが採用されています。

この方法では、PDELTA KGコマンドより前にある動的ケース内のPDELTA KGコマンドより先に、最後の静的ケースで得られる[K+Kg]マトリックスを使用します。

LOAD n
static case input
LOAD n+1
dynamic load case
PDELTA KG ANALYSIS
  1. まず、与えられたケースnの外荷重に基づく静的線形解析によって、主要なたわみが計算されます。

  2. 主要なたわみは、メンバーの軸力とプレート中央の膜応力を計算するために使用されます。これらの力と応力は、幾何剛性項を計算するために使用されます。Largeデルタの効果とSmallデルタの効果の両方が計算されます。これらの項は、全体剛性マトリックスKに加えられるKgマトリックスの項です。

ケースnに対する最後の三角分解が、動的解析を実行するためにケースn+1で設定された質量と共に、動的ケースn+1で使用されます。

P-デルタ効果を正しく考慮するために、横方向荷重は鉛直荷重と同時に与えられる必要があります。REPEAT LOAD機能(「TR.32.11 繰り返し荷重の設定」参照)は、この要求を念頭に置いて作成されました。ユーザーは、この機能により、事前に定義された主荷重ケースを組み合わせて新しい主荷重ケースを作成することができます。

P-デルタ効果は、フレームメンバーとプレート要素のみに対して計算されます。ソリッド要素に対しては計算されません。P-デルタは、鉛直荷重が構造物のある高さレベルから次の高さレベルにメンバーとプレート要素によって伝達される構造物に制限されます。

P-デルタ解析では、座屈を許容するので、最大変位を確認する必要があります。大変形領域を見るには、崩壊前の解を得るために、反復を1~5回だけ解析を繰り返すか、または静的ケースとして解析を繰り返すことが必要な場合があります。  

また、座屈は負であることが確定したマトリックスによって解析に失敗する場合があります。この場合、メッセージがプリントされ、そのケースの結果はゼロにセットされます。このタイプの失敗が起きた場合、動的解析の結果は無視する必要があります。